iSPP国際会議 事業報告
■ 企画趣旨
東日本大震災と情報通信(ICT)をテーマにした会議は、東北・仙台でも、東京でもすでに多数開かれてきました。 率直に申し上げて、そのなかには、私たちも含めて外部から「支援」に入ったり、外部で「観察」「調査」した人間の発言が主で、実際に被災された皆さまの体験や意見が十分に取り上げられていないものも少なくなかったと思います。
当団体の会議に対する自戒の念を含め、「外から目線」「上から目線」と感じることも多くありました。ただし、私たちは、この会議を企画するにあたって、なんとか現地東北の被災者、地元の声を中心にできないかと考えました。海外の人を招くにあたって、とくにこの点は重要だと思いました。
もちろん、あの規模の災害からの復興に取り組むのに「内」「外」にこだわりすぎるわけにもいきません。すべての人が心を合わせて、ICTのもつ潜在的な力を顕在化させ、一日も早く、豊かな自然と社会を取り戻し、夢を語れる東北、みちのくを築くことに注力すべきと思います。
最後に、遠くから参加される皆さま、そしてこの小さな取り組みとiSPPの活動をご支援、ご指導、ご協力くださったすべての皆さまに、また裏方として汗を流してくださった方々に、心よりお礼申し上げます。
■ 全体として
被災地で活動されている様々な団体を代表して、6人の方のプレゼンテーションを実施していただきました。講演後のQ&Aでは海外参加者からも数多くの質問が寄せられました。また、被災地で活躍されている支援団体の方に、ご自身の経験や紹介をして頂くことで、次につながるネットワークづくりに貢献できました。
■ 10:15 第1部 自治体および地域住民からの報告
第1部のUST配信はこちらからご覧ください。
被災時における行政のICT責任者として、仙台市の甚大な被害に際してどう対応したかを豊富な写真で紹介頂きました。そして、今後、ICTが震災時にどのような有効性を持つか、また、その課題などをお話して頂きました。PDF資料(76K)
バルーンによる緊急通信網の構築についてお話頂く。緊急災害時におけるネットワークプログラム支援は有効。だだ、今回の支援においては、ヘリウムガスの入手困難のため、DR対策の準備さえ整えれば、十分実用的ソリューションである。PDF資料(8M)
ガーネットみやぎの活動を震災発生時から現在の仮設住宅での課題に至るまで、住民と同じ目線に立ってお話しして頂きました。)PDF資料(1.1M)
■ 13:00 第2部 復旧復興のためのICT
第2部のUST配信はこちらからご覧ください。
被災後、自分たちに何ができるかを考えた末、笑顔カレンダーを企画、制作、販売。被災地から、笑顔のつながりがで、人々に明るさの輪が広がる。その紹介をして頂きました。PDF資料1(3.1M)
東北大学病院でネットワークの構築など実施している中で、被災し、自分たちにできる物理的ネットワークの構築を展開。また、物理的ネットワークのみならず、twitterでの情報交流がどれくらい利用されたかをデータで紹介。今後のネットワークづくりへの布石などお話して頂きました。PDF資料1(9.3M)
宮城において、ICTネットワークがどのように生まれて広がっているかを紹介。Hack for Japanが果たしたこと、及び、Hack Miyagiの支部を立ち上げ、現地雇用に対する問題に対応すべく活動している。また、うらと海の子再生プロジェクトや、盛岡における支援としての活動を行ったなど、お話しして頂きました。PDF資料1(61K)
■ 14:35 第3部 ワークショップ
第3部のUST配信はこちらからご覧ください。
冒頭、松崎太亮 氏 (iSPP共同代表理事)からワークショップのテーマ「震災時にICTが持つ可能性」につながる阪神大震災からの経験をお話し頂き、震災直後から有効利用できるICTの仕組みやアイディアについてワークショップが開かれました。
■ 発表~閉会
発表~閉会のUST配信はこちらからご覧ください。
4つのグループから発表と参加者による審査が行われました。アイディア満載の大変意義のある発表会となりました。(内容につきましてはUSTをご覧ください)
国内外から多くの方々に参加して頂き、盛況のうちに終了することができました。みなさまのご協力を感謝いたしますとともに、被災地の復興につきましては、今後も最大限の努力と協力をさせて頂きたいと思います。
本文 : 河合孝彦 (iSPP理事)
国際会議の写真アルバムはこちらをご覧ください。
主催:情報支援プロボノ・プラットフォーム (iSPP)
協力:APrIGF 実行委員会
後援:総務省東北総合通信局 宮城県 仙台市 名取市
協賛:Google
UST:笑顔311